『いつか記憶からこぼれおちるとしても』江國香織
前回記事で紹介した本は大学生についての話でしたが
今回はもう少し若くなり女子高生が出てくるお話です。
6編の作品からなる短編小説集。
それぞれの話の主人公はいずれも女子高生。
裕福な家庭の子が多い、同じ私立女子高に通う女子高生達。
彼女らの若さ、故の美しさ、儚さ、そして強さが
江國香織らしい淡々とした、美しい日本語で紡がれています。
女子高生って最強無敵の完全体だと思っていたんですが、そんなことはない。
内面に秘める孤独や葛藤、本人すら気付いていないかもしれない悩み等。
そんな不安定な部分がありありとそしてさりげなく描かれている作品です。
彼女らにとっては特段何もない普通の日常。
いつか記憶からこぼれおちてしまうのでしょう。
僕は女子高生だったことはないのですがこの作品を読んでいると
自分が女子高生時代に戻ったかのような感覚に陥ります。
短編集ということもあり気軽に読み始められる1冊。
レモン味炭酸水のようにさらっといかがでしょうか。
今回の記事はちょっと女子高生女子高生言い過ぎましたね。
余談ですが、好きな作家を聞かれて「江國香織」と答える女の子、僕は好きです。
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